患者の中には、東洋医学の治療で利用される漢方薬の服用を苦手とする人は少なくありません。先に水分を口に含んでから漢方という手順を踏むと、比較的スムーズに飲めるようになります。年齢が低い子どもはこの手順でも飲みにくいと感じることもあるので、その場合は服薬ゼリーが効果的です。中には飲みにくいとの理由で、お茶やジュースを選択する人もいます。しかし、漢方は服用後に胃の中で活発に働く作用があるのです。お茶やジュース類で服用すると、それらに含まれている成分の影響で効果を半減させかねません。

薬は病気の治療や体を健康にすることが目的となるので、効果を最大限に発揮させるためにも水か白湯で飲むことが基本です。西洋医学で処方される治療薬と違って、漢方は大半が食前や食間のタイミングで服用します。これは空腹時の腸が、薬に含まれている糖の吸収を良くすることが主な理由です。薬は食後というイメージから、飲み忘れて食事を終えてから気付く人もいます。漢方は飲むタイミングよりも回数を守ることが重要なので、気付くのが遅くなっても欠かさず飲むことが大切です。

体質改善を目的に服用している場合、摂取期間にも気を付けなくてはいけません。大抵の漢方には、パッケージに処方期間や注意事項が記載されているので厳守すれば副作用のリスクもなく安全に服用できます。ただし、処方期間はあくまで目安です。期間よりも早く体質が改善したと感じたときは、無理に飲み続けずに薬剤師に相談して継続と中断の判断を仰ぐ必要があります。